原文
巨礼也己能 名尓於布奈流門能 宇頭之保尓 多麻毛可流登布 安麻乎等女杼毛
作者
田邊秋庭(たのべのあきには)
よみ
これやこの 名に負ふ 鳴門(なると)の うづ潮(しほ)に 玉藻(たまも)刈るとふ 海人娘子(あまをとめ)ども
意味

これがあの、よく名の知られた鳴門(なると)の渦潮(うずしお)のなか、玉藻(たまも)を刈るという海人娘子(あまをとめ)たちなのですか。
- rough meaning: Oh, they are the famous Amaotome(female diver) who mow Tamamo (seaweed) among the well-known Naruto whirlpools!
・天平8年(西暦736年)に新羅(しらぎ)に遣わされた人たち(遣新羅使(けんしらぎし))の内のひとり、田邊秋庭(たのべのあきには)が詠んだ歌です。
補足
この歌の題詞には、「大嶋(おおしま)の鳴門(なると)を過ぎて再宿(ふたよ:二泊すること)を經(へ)て後に、追いて作る歌二首」とあります。
この歌の左注には、「右一首田邊秋庭(たのべのあきには)」とあります。