原文
毛美知葉能 知里奈牟山尓 夜杼里奴流 君乎麻都良牟 比等之可奈之母
作者
遣新羅使(けんしらぎし)の葛井子老(ふじゐのむらじおゆ)
よみ
黄葉(もみちば)の、散りなむ山に、宿(やど)りぬる、君を待つらむ、人し悲しも
意味
黄葉(もみちば)が散ってしまう山に葬られてしまった君を待っているご家族のことを思うと、哀れでなりません。
- rough meaning: I feel sorry for the family waiting for you who has been buried in the mountains where the yellow leaves fall.
補足
天平8年(西暦736年)に新羅(しらぎ)に遣わされた遣新羅使(けんしらぎし)たちの内のひとり、雪宅麻呂(ゆきのやかまろ)が壱岐(いき)の島で病気のために亡くなりました。この歌は、葛井子老(ふじゐのむらじおゆ)が彼の死を悼(いた)んで詠んだ歌のひとつです。