第十五巻 : 天雲のたゆたひ来れば九月の

2007年09月09日(日)更新


原文: 安麻久毛能 多由多比久礼婆 九月能 毛未知能山毛 宇都呂比尓家里

作者: 遣新羅使(けんしらぎし)

よみ: 天雲(あまくも)の、たゆたひ来れば、九月(ながつき)の、黄葉(もみち)の山も、うつろひにけり

意味: 天雲(あまくも)のようにゆらゆらと揺られてやってきたら、九月黄葉(もみち)の山も色あせてしまいました。

天平8年(西暦736年)に新羅(しらぎ)に遣わされた人たちが詠んだ歌のひとつです。都を出てから瀬戸内を通り、対馬経由で朝鮮半島に渡る経路だったようですね。

「天雲(あまくも)の」は「たゆたふ」を導く枕詞(まくらことば)です。

紅葉の山 撮影(2006) by きょう

第十五巻