第四巻 : 意宇の海の潮干の潟の片思に
2007年07月22日(日)更新 |
原文: 飫宇能海之 塩干乃鹵之 片念尓 思哉将去 道之永手呼 作者: 門部王(かどべのおおきみ) よみ: 意宇(おう)の海の、潮干(しほひ)の潟(かた)の、片思(かたも)に、思ひや行かむ道の長手(ながて)を |
意味: 意宇(おう)の海の、潮干(しほひ)の潟(かた)から片思いしながら、思いながら行くでしょう、この長い道のりを。 意宇(おう)の海は、現在の島根県の中の海です。意宇(おう)の海に流れ込んでいる意宇川の近くに出雲(いずも)の国府がありました。 「意宇(おう)の海の潮干(しほひ)の潟(かた)の」までで、次の「片思(かたも)に」を導いています。 |
この歌の注には、「門部王(かどべのおおきみ)が出雲守(いずものかみ)に任命されたときに、出雲の娘さんをお嫁さんにしました。あまり時が経たないのにお嫁さんのところへは行かなくなりました。それから何ヶ月が過ぎて、また逢いたくなり、この歌を詠んでお嫁さんに贈ったということです。」とあります。 |