原文
久敝胡之尓 武藝波武古宇馬能 波都々々尓 安比見之兒良之 安夜尓可奈思母
(或本歌曰)宇麻勢胡之 牟伎波武古麻能 波都々々尓 仁必波太布礼思 古呂之可奈思母
作者
不明
よみ
くへ越しに 麦(むぎ)食(は)む小馬(こうま)の はつはつに 相(あい)見し子らし あやに愛(かな)しも
或(あ)る本の歌に曰(いは)く: 馬柵(うませ)越し 麦(むぎ)食(は)む駒(こま)の はつはつに 新肌(にひはだ)触(ふ)れし 子ろし愛(かな)しも
意味
柵(さく)越しに小馬(こうま)が麦(むぎ)を食べるような、ちょっとだけ会ったあの娘のことがとても愛(いと)おしい。
ある本の歌には、「馬(うま)の柵(さく)越しに麦(むぎ)を食べる小馬(こうま)のような、少しだけ肌に触れたあの娘のことが愛(いと)おしい。」とあります。
- rough meaning: Just like a foal eating wheat over a fence, I love that girl who I met for a moment (who I touched her skin a little).
補足
・娘さんは柵に閉じ込められた駒(仔馬)のように、なかなか出てこられないのでしょうね。