原文

山高見 白木綿花尓 落多藝津 夏身之川門 雖見不飽香開

作者

式部大倭(しきぶのやまと)

よみ

菜摘の川 撮影(2000) by きょう

山高み、白木綿花(しらゆふばな)に、落ちたぎつ、夏身(なつみ)の川門(かはと)、見れど飽かぬかも

意味

山が高く、白い木綿花のように流れ落ちています。菜摘の川の川門の流れは見飽きることがありません。

「木綿花(ゆうばな)」は楮(こうぞ)の樹皮から作った木綿(ゆう)と呼ばれる繊維で作った花のことです。川の流れを「白木綿花(しらゆふばな)」とたとえて詠んでいます。

「川門(かわと)」は川幅が狭くなっている所をいいます。

補足

この歌の題詞には「式部大倭(しきぶのやまと)、芳野(よしの)で作る歌一首」とあります。

更新日: 2017年03月19日(日)