第九巻 : 君なくはなぞ身装はむ櫛笥なる

2013年10月20日(日)更新


原文: 君無者 奈何身将装餝 匣有 黄楊之小梳毛 将取跡毛不念

作者: 播磨娘子(はりまのおとめ)

よみ: 君なくは、なぞ身(み)装(よそ)はむ、櫛笥(くしげ)なる、黄楊(つげ)の小櫛(をぐし)も、取らむとも思はず

意味: あなた様がいらっしゃらないなら、どうして身を装ったりするでしょうか。櫛箱(くしはこ)の黄楊(つげ)の小櫛も手に取ろうとは思いませんわ。

櫛笥(くしげ)は、櫛や化粧具を入れる箱のことです。

黄楊(つげ) 撮影(2010.02) by きょう

この歌の題詞に、「石川大夫(いしかわのまえつきみ)が、都に戻るときに播磨娘子(はりまのおとめ)が贈った歌二首」とあります。


第九巻