平成九年丑年三月二十九日(土)更新
作者: 不明
意味: あの人と手をとりあって夜明けを迎えたならば家を出てその山に向かい、夕暮れになると山を見て心を和らげ、山の峰には霞がたなびき、谷には椿(つばき)が咲き、春が過ぎるとホトトギスがしきりに鳴き、独りでそれを聞けばさびしい。ホトトギスさん、あの人と私とを隔てている砺波山を飛び越えて、朝には松の枝に、夕暮れには月に向かって、あやめぐさが咲くまで鳴き立てて、あの人を眠らせないで。
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