原文

雪嶋 巌尓殖有 奈泥之故波 千世尓開奴可 君之挿頭尓

作者

遊行女婦蒲生娘子(あそびめ・がもうのおとめ)

よみ

雪(ゆき)の嶋(しま) 巌(いはほ)に植ゑたる なでしこは 千代(ちよ)に咲かぬか 君がかざしに

意味

雪  by 写真AC

雪(ゆき)の嶋(しま)の巌(いはお)に植えたなでしこは、いついつまでも咲いてほしいものです。あなた様(内蔵縄麻呂(くらのなわまろ)のこと)の髪飾りとなるよう。

- rough meaning: The Nadeshiko planted on the rock in the garden where the snow has been piled up, I want it to be blooming forever to be your(master of the mansion) hair ornament.(They enjoyed making rocks using the snow that was piled up, making them look like flowers of Nadeshiko.)

補足

・この歌は、天平勝宝3年(西暦752年)1月3日、内蔵縄麻呂(くらのなわまろ)の館で催された宴で詠まれたものです。

・この歌の題詞に、「遊行女婦(あそびめ)の蒲生娘子(がもうのおとめ)の歌一首」とあります。遊行女婦(あそびめ)とは、各地をまわって宴席などで歌や舞をする女性のことです。

更新日: 2020年07月12日(日)