雪(ゆき) Yuki(Snow)

雪 by 写真AC

雪は空から降ってくる1ミリに満たない氷の結晶です。着地するときには、いくつもの結晶がくっつきあって大きくなります。ちなみに地上に降りた雪の結晶の形からその時の大気の状態が分かることから、「雪は天から送られた手紙である(中谷宇吉郎博士)」という有名な言葉が生まれたそうです。

- Snow is an ice crystal of less than 1 mm falling from the sky. When landing, a number of crystals stick together and become larger. The state of the atmosphere at that time can be understood from the shape of the snow crystals that fell on the ground, so the famous word “Snow is a letter sent from heaven (Dr. Ukichiro Nakatani)” was born.

雪(ゆき)を詠んだ歌

雪を詠んだ歌は150首を越えます。表現は、「雪」はもちろん、淡雪、み雪、白雪、大雪、初雪などさまざまです。を読み込んだ歌も多くみられます。

0025: み吉野の耳我の嶺に時なくぞ雪は降りける.......(長歌)

0026: み吉野の耳我の山に時じくぞ雪は降るといふ.......(長歌)

0045: やすみしし我が大君高照らす日の皇子.......(長歌)

0103: 我が里に大雪降れり大原の古りにし里に降らまくは後

0104: 我が岡のおかみに言ひて降らしめし雪のくだけしそこに散りけむ

0199: かけまくもゆゆしきかも言はまくもあやに畏き.......(長歌)

0203: 降る雪はあはにな降りそ吉隠の猪養の岡の寒からまくに

0261: やすみしし我が大君高照らす日の御子..........(長歌)

0262: 矢釣山木立も見えず降りまがふ雪に騒ける朝楽しも

0299: 奥山の菅の葉しのぎ降る雪の消なば惜しけむ雨な降りそね

0317: 天地の別れし時ゆ神さびて高く貴き駿河なる富士の高嶺を.......(長歌)

0318: 田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける

0319: なまよみの甲斐の国うち寄する駿河の国と.......(長歌)

0320: 富士の嶺に降り置く雪は六月の十五日に消ぬればその夜降りけり

0382: 鶏が鳴く東の国に高山はさはにあれども二神の.......(長歌)

0383: 筑波嶺を外のみ見つつありかねて雪消の道をなづみ来るかも

0624: 道に逢ひて笑まししからに降る雪の消なば消ぬがに恋ふといふ我妹

0822: 我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも

0823: 梅の花散らくはいづくしかすがにこの城の山に雪は降りつつ

0839: 春の野に霧立ちわたり降る雪と人の見るまで梅の花散る

0844: 妹が家に雪かも降ると見るまでにここだもまがふ梅の花かも

0849: 残りたる雪に交れる梅の花早くな散りそ雪は消ぬとも

0850: 雪の色を奪ひて咲ける梅の花今盛りなり見む人もがも

0892: 風交り雨降る夜の雨交り雪降る夜はすべもなく.......(長歌)

1010: 奥山の真木の葉しのぎ降る雪の降りは増すとも地に落ちめやも

1041: 我がやどの君松の木に降る雪の行きには行かじ待にし待たむ

1293: 霰降り遠つ淡海の吾跡川楊刈れどもまたも生ふといふ吾跡川楊

1349: かくしてやなほや老いなむみ雪降る大荒木野の小竹にあらなくに

1420: 沫雪かはだれに降ると見るまでに流らへ散るは何の花ぞも

1426: 我が背子に見せむと思ひし梅の花それとも見えず雪の降れれば

1427: 明日よりは春菜摘まむと標めし野に昨日も今日も雪は降りつつ

1434: 霜雪もいまだ過ぎねば思はぬに春日の里に梅の花見つ

1436: 含めりと言ひし梅が枝今朝降りし沫雪にあひて咲きぬらむかも

1437: 霞立つ春日の里の梅の花山のあらしに散りこすなゆめ

1439: 時は今は春になりぬとみ雪降る遠山の辺に霞たなびく

1441: うち霧らひ雪は降りつつしかすがに我家の苑に鴬鳴くも

1445: 風交り雪は降るとも実にならぬ我家の梅を花に散らすな

1636: 大口の真神の原に降る雪はいたくな降りそ家もあらなくに

1639: 沫雪のほどろほどろに降りしけば奈良の都し思ほゆるかも

1640: 我が岡に盛りに咲ける梅の花残れる雪をまがへつるかも

1641: 淡雪に降らえて咲ける梅の花君がり遣らばよそへてむかも

1642: たな霧らひ雪も降らぬか梅の花咲かぬが代にそへてだに見む

1643: 天霧らし雪も降らぬかいちしろくこのいつ柴に降らまくを見む

1645: 我が宿の冬木の上に降る雪を梅の花かとうち見つるかも

1646: ぬばたまの今夜の雪にいざ濡れな明けむ朝に消なば惜しけむ

1647: 梅の花枝にか散ると見るまでに風に乱れて雪ぞ降り来る

1648: 十二月には淡雪降ると知らねかも梅の花咲くふふめらずして

1649: 今日降りし雪に競ひて我が宿の冬木の梅は花咲きにけり

1650: 池の辺の松の末葉に降る雪は五百重降りしけ明日さへも見む

1651: 淡雪のこのころ継ぎてかく降らば梅の初花散りか過ぎなむ

1654: 松蔭の浅茅の上の白雪を消たずて置かむことはかもなき

1655: 高山の菅の葉しのぎ降る雪の消ぬと言ふべくも恋の繁けく

1658: 我が背子とふたり見ませばいくばくかこの降る雪の嬉しくあらまし

1659: 真木の上に降り置ける雪のしくしくも思ほゆるかもさ夜問へ我が背

1662: 淡雪の消ぬべきものを今までに流らへぬるは妹に逢はむとぞ

1663: 淡雪の庭に降り敷き寒き夜を手枕まかずひとりかも寝む

1695: 妹が門入り泉川の常滑にみ雪残れりいまだ冬かも

1782: 雪こそば春日消ゆらめ心さへ消え失せたれや言も通はぬ

1786: み越道の雪降る山を越えむ日は留まれる我れを懸けて偲はせ

1832: うち靡く春さり来ればしかすがに天雲霧らひ雪は降りつつ

1833: 梅の花降り覆ふ雪を包み持ち君に見せむと取れば消につつ

1834: 梅の花咲き散り過ぎぬしかすがに白雪庭に降りしきりつつ

1835: 今さらに雪降らめやもかぎろひの燃ゆる春へとなりにしものを

1836: 風交り雪は降りつつしかすがに霞たなびき春さりにけり

1837: 山の際に鴬鳴きてうち靡く春と思へど雪降りしきぬ

1838: 峰の上に降り置ける雪し風の共ここに散るらし春にはあれども

1839: 君がため山田の沢にゑぐ摘むと雪消の水に裳の裾濡れぬ

1840: 梅が枝に鳴きて移ろふ鴬の羽白妙に沫雪ぞ降る

1841: 山高み降り来る雪を梅の花散りかも来ると思ひつるかも

1842: 雪をおきて梅をな恋ひそあしひきの山片付きて家居せる君

1848: 山の際に雪は降りつつしかすがにこの川楊は萌えにけるかも

1849: 山の際の雪は消ずあるをみなぎらふ川の沿ひには萌えにけるかも

1862: 雪見ればいまだ冬なりしかすがに春霞立ち梅は散りつつ

1888: 白雪の常敷く冬は過ぎにけらしも春霞たなびく野辺の鴬鳴くも

2313: あしひきの山かも高き巻向の崖の小松にみ雪降りくる

2314: 巻向の桧原もいまだ雲居ねば小松が末ゆ沫雪流る

2315: あしひきの山道も知らず白橿の枝もとををに雪の降れれば

2316: 奈良山の嶺なほ霧らふうべしこそ籬が下の雪は消ずけれ

2317: こと降らば袖さへ濡れて通るべく降りなむ雪の空に消につつ

2318: 夜を寒み朝門を開き出で見れば庭もはだらにみ雪降りたり

2319: 夕されば衣手寒し高松の山の木ごとに雪ぞ降りたる

2320: 我が袖に降りつる雪も流れ行きて妹が手本にい行き触れぬか

2321: 淡雪は今日はな降りそ白栲の袖まき干さむ人もあらなくに

2322: はなはだも降らぬ雪ゆゑこちたくも天つみ空は雲らひにつつ

2323: 我が背子を今か今かと出で見れば淡雪降れり庭もほどろに

2324: あしひきの山に白きは我が宿に昨日の夕降りし雪かも

2329: 雪寒み咲きには咲かぬ梅の花よしこのころはかくてもあるがね

2331: 八田の野の浅茅色づく有乳山嶺の淡雪寒く散るらし

2333: 降る雪の空に消ぬべく恋ふれども逢ふよしなしに月ぞ経にける

2334: 沫雪は千重に降りしけ恋ひしくの日長き我れは見つつ偲はむ

2337: 笹の葉にはだれ降り覆ひ消なばかも忘れむと言へばまして思ほゆ

2338: 霰降りいたく風吹き寒き夜や旗野に今夜我が独り寝む

2339: 吉隠の野木に降り覆ふ白雪のいちしろくしも恋ひむ我れかも

2340: 一目見し人に恋ふらく天霧らし降りくる雪の消ぬべく思ほゆ

2341: 思ひ出づる時はすべなみ豊国の由布山雪の消ぬべく思ほゆ

2342: 夢のごと君を相見て天霧らし降りくる雪の消ぬべく思ほゆ

2343: 我が背子が言うるはしみ出でて行かば裳引きしるけむ雪な降りそね

2344: 梅の花それとも見えず降る雪のいちしろけむな間使遣らば

2345: 天霧らひ降りくる雪の消なめども君に逢はむとながらへわたる

2346: うかねらふ跡見山雪のいちしろく恋ひば妹が名人知らむかも

2347: 海人小舟泊瀬の山に降る雪の日長く恋ひし君が音ぞする

2348: 和射見の嶺行き過ぎて降る雪のいとひもなしと申せその子に

3153: み雪降る越の大山行き過ぎていづれの日にか我が里を見む

3280: 我が背子は待てど来まさず天の原振り放け見れば.......(長歌)

3281: 我が背子は待てど来まさず雁が音も響みて寒し.......(長歌)

3293: み吉野の御金が岳に間なくぞ雨は降るといふ.......(長歌)

3294: み雪降る吉野の岳に居る雲の外に見し子に恋ひわたるかも

3310: 隠口の泊瀬の国にさよばひに我が来れば.......(長歌)

3324: かけまくもあやに畏し藤原の都しみみに.......(長歌)

3351: 筑波嶺に雪かも降らるいなをかも愛しき子ろが布乾さるかも

3358: 逢へらくは玉の緒しけや恋ふらくは富士の高嶺に降る雪なすも

3423: 上つ毛野伊香保の嶺ろに降ろ雪の行き過ぎかてぬ妹が家のあたり

3805: ぬばたまの黒髪濡れて沫雪の降るにや来ますここだ恋ふれば

3906: 御園生の百木の梅の散る花し天に飛び上がり雪と降りけむ

3922: 降る雪の白髪までに大君に仕へまつれば貴くもあるか

3923: 天の下すでに覆ひて降る雪の光りを見れば貴くもあるか

3924: 山の狭そことも見えず一昨日も昨日も今日も雪の降れれば

3925: 新しき年の初めに豊の年しるすとならし雪の降れるは

3926: 大宮の内にも外にも光るまで降れる白雪見れど飽かぬかも

3960: 庭に降る雪は千重敷くしかのみに思ひて君を我が待たなくに

4000: 天離る鄙に名懸かす越の中国内ことごと.......(長歌)

4001: 立山に降り置ける雪を常夏に見れども飽かず神からならし

4003: 朝日さしそがひに見ゆる神ながら.......(長歌)

4004: 立山に降り置ける雪の常夏に消ずてわたるは神ながらとぞ

4011: 大君の遠の朝廷ぞみ雪降る越と名に追へる.......(長歌)

4016: 婦負の野のすすき押しなべ降る雪に宿借る今日し悲しく思ほゆ

4024: 立山の雪し消らしも延槻の川の渡り瀬鐙漬かすも

4079: 三島野に霞たなびきしかすがに昨日も今日も雪は降りつつ

4106: 大汝少彦名の神代より言ひ継ぎけらく.......(長歌)

4111: かけまくもあやに畏し天皇の.......(長歌)

4113: 大君の遠の朝廷と任きたまふ.......(長歌)

4116: 大君の任きのまにまに取り持ちて.......(長歌)

4134: 雪の上に照れる月夜に梅の花折りて送らむはしき子もがも

4226: この雪の消残る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む

4227: 大殿のこの廻りの雪な踏みそねしばしばも.......(長歌)

4228: ありつつも見したまはむぞ大殿のこの廻りの雪な踏みそね

4229: 新しき年の初めはいや年に雪踏み平し常かくにもが

4230: 降る雪を腰になづみて参ゐて来し験もあるか年の初めに

4231: なでしこは秋咲くものを君が家の雪の巌に咲けりけるかも

4232: 雪の嶋巌に植ゑたるなでしこは千代に咲かぬか君がかざしに

4233: うち羽振き鶏は鳴くともかくばかり降り敷く雪に君いまさめやも

4234: 鳴く鶏はいやしき鳴けど降る雪の千重に積めこそ我が立ちかてね

4281: 白雪の降り敷く山を越え行かむ君をぞもとな息の緒に思ふ

4282: 言繁み相問はなくに梅の花雪にしをれてうつろはむかも

4283: 梅の花咲けるが中にふふめるは恋か隠れる雪を待つとか

4285: 大宮の内にも外にもめづらしく降れる大雪な踏みそね惜し

4286: 御園生の竹の林に鴬はしば鳴きにしを雪は降りつつ

4287: 鴬の鳴きし垣内ににほへりし梅この雪にうつろふらむか

4288: 川洲にも雪は降れれし宮の内に千鳥鳴くらし居む所なみ

4439: 松が枝の土に着くまで降る雪を見ずてや妹が隠り居るらむ

4454: 高山の巌に生ふる菅の根のねもころごろに降り置く白雪

4471: 消残りの雪にあへ照るあしひきの山橘をつとに摘み来な

4475: 初雪は千重に降りしけ恋ひしくの多かる我れは見つつ偲はむ

4488: み雪降る冬は今日のみ鴬の鳴かむ春へは明日にしあるらし

4516: 新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事

補足

更新日: 2020年07月12日(日)