原文 Original Text
打羽振 鶏者鳴等母 如此許 零敷雪尓 君伊麻左米也母
作者 Author
内蔵縄麻呂内蔵縄麻呂(くらのいみきなはまろ) Kura-no-Imiki-Nahamaro
よみ Reading
うち羽振(はぶ)き 鶏(とり)は鳴くとも かくばかり 降り敷(し)く雪(ゆき)に 君いまさめやも
- Uchi-habuki Tori ha nau tomo Kakubakari Furishiku yuki ni Kimi imasa-me yamo.
意味 Meaning
羽をはばたかせて鶏(にわとり)が鳴いても、こんなにも降り積った雪(ゆき)の中、あなたはどうやってお帰りになれるでしょうか。
・天平勝宝3年(西暦751年)1月3日に内蔵縄麻呂(くらのいみきなはまろ)の館で行われた新年の宴で詠まれた歌です。この歌に答えて大伴家持(おおとものやかもち)が4234番歌を詠んでいます。
- rough meaning: Even though the roosters are flapping their wings and crowing to announce the morning, how can you get home with so much snow falling? (This poem was composed at a New Year's banquet held at the residence of Kura-no-Imiki-Nahamaro on January 3rd, 751 (the third year of Tenpyo Shoho).)
補足 Note
・この歌の題詞には「ここに諸人(もろひと)酒(さけ)酣(たけなわ)に、更深(よふ)け鶏(にわとり)鳴く、これに因(よ)りて主人(あるじ)内蔵伊美吉縄麻呂(くらのいみきなわまろ)の作る歌一首」とあります。
・「君いまさめやも」の「います」は「行く」の尊敬語です。