第十七巻 : 新しき年の初めに豊の年

2009年01月18日(日)更新


原文: 新 年乃婆自米尓 豊乃登之 思流須登奈良思 雪能敷礼流波

作者: 葛井諸会(ふじゐのもりあい)

よみ: 新しき、年の初めに、豊(とよ)の年、しるすとならし、雪(ゆき)の降れるは

意味: 新しい年の初めに、今年の豊かな実りの予兆なのでしょう。雪(ゆき)が降っているのは。

天平18年(西暦756年)1月、雪が降り積もったので、橘諸兄(たちぱなのもろえ)が諸王たちをひきつれて元正天皇の御所の雪かきをしました。そこで、元正天皇は橘諸兄(たちぱなのもろえ)たちを招いて酒宴をひらきました。そのときに、天皇が「この雪を題材にして歌を詠みなさい」といわれました。

この歌は、その時に詠まれた歌のひとつです。

雪 撮影(2006.01) by きょう

第十七巻