原文

奥山之 真木葉凌 零雪乃 零者雖益 地尓落目八方

作者

橘奈良麻呂(たちばなのならまろ)

よみ

奥山(おくやま)の、真木(まき)の葉しのぎ、降る雪(ゆき)の、降りは増すとも、地に落ちめやも

雪 撮影 by きょう

意味

奥山(おくやま)の真木(まき)の葉を押しつけるように降る雪(ゆき)のように、ふり(古り)が増しても(橘家を)地に落ちるようなことがあるものでしょうか。

「(橘家が)長く続いて古くからの家柄となっても、決して家の名を貶めるようなことはありません。」と誓っている歌です。

「奥山(おくやま)の~」で、「降りは増すとも」を導いています。

補足

この歌の題詞には、「橘宿祢奈良麻呂、詔(みことのり)に應(こた)える歌一首」とあります。これは、聖武天皇(しょうむてんのう)が詠まれた「橘は実さへ花さへその葉さへ.....」の歌に応えた歌です。

更新日: 2013年11月24日(日)