原文
三越道之 雪零山乎 将越日者 留有吾乎 懸而小竹葉背
作者
笠金村(かさのかなむら)歌集より
よみ
よみ: み越道(こしぢ)の 雪(ゆき)降る山を 越えむ日は 留(と)まれる我れを 懸(か)けて偲(しの)はせ
意味
意味: 越の国(現在の北陸)につづく路の雪(ゆき)降る山を越える日には、都に留まっている私のことを心にかけて偲んでくださいませ。
- rough meaning: On the day when you cross the snowy mountains on the road leading to Koshi-no-Kuni(now Hokuriku), please remember me who remained in the capital.
補足
この歌は1785番歌の題詞にある、「神龜(じんき)五年(西暦728年)戊辰(つちのえたつ)秋八月歌一首[并(あわ)せて短歌]」の短歌(反歌)にあたります。「秋八月」はまだ雪の季節ではありませんが、北陸の雪の山道を行く夫のことを思っての歌なのでしょうね。