原文
吾屋戸乃 君松樹尓 零雪乃 行者不去 待西将待
作者
不明
よみ
我がやどの 君松の木に 降る雪(ゆき)の 行きには行かじ 待(まち)にし待たむ
意味
私の家の庭の、君を待つ松の木に降る雪(ゆき)、のように行き(雪)はしないで、待つ(松)ことにしましょう。
- rough meaning: This poem sung in a playful manner at a banquet doesn't mean much, just says "Let's wait instead of going". The snow that falls on the pine trees in the garden is read in this poem to play on words. In this poem, "Matsu"(pine tree) reminds "Matsu"(wait), and "Yuki"(snow) reminds "Yuki"(going).
・天平16年(西暦744年)1月5日に安倍虫麻呂(あべのむしまろ)の邸宅で行われた宴席での歌です。
補足
この歌の題詞には、「(天平)十六年(西暦744年)甲申(こうしん) 春正月五日 諸(もろもろ)の卿大夫(まえつきみ)、安倍蟲麻呂朝臣(あべのむしまろあそん)の家に集(つど)ひて宴(うたげ)する歌一首 [作者不審]」とあります。