原文
辞繁 不相問尓 梅花 雪尓之乎礼■(氏+一) 宇都呂波牟可母
作者
石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)
よみ
言(こと)繁(しげ)み 相(あひ)問はなくに 梅の花 雪(ゆき)にしをれて うつろはむかも
意味
噂がひどいので互いに逢わないでいるうちに、梅の花が雪(ゆき)にしおれて散ってしまうのではないでしょうか。
・天平勝宝5年(西暦753年)1月4日、石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)の家でおこなわれた宴席で詠まれた3首のうちのひとつです。男女の恋を匂わせる歌です。
- rough meaning: The rumors of people are so terrible that the plum blossoms in the garden may be fallen in the snow before seeing each other.(This poem imply the love between men and women.)
補足
・この歌の題詞には、「(天平勝宝)五年正月四日に治部少輔(ぢぶのしょうい:治部省の次官)石上朝臣宅嗣家(いそのかみのあそんやかつぐ)の家にして宴(うたげ)する歌三首」とあります。
・この歌の左注には、「右一首 主人(あるじ)石上朝臣宅嗣(いそのかみのあそんやかつぐ)」とあります。