原文
鴬能 鳴之可伎都尓 々保敝理之 梅此雪尓 宇都呂布良牟可
作者
よみ
鴬(うぐひす)の、鳴きし垣内(かきつ)に、にほへりし、梅(うめ)この雪に、うつろふらむか
意味
鴬(うぐいす)が鳴いていた垣に囲まれた庭に咲いていた梅(うめ)が、この雪で散っていることでしょうか。
補足
この歌を含む4285番歌の題詞には、「(天平勝宝5年1月の)十一日に大雪が落(ふ)り積(つ)みて尺に二寸有り(一尺二寸:おおよそ36センチ) 因(よ)りて拙懐(せつくわい:私の思い)を述ぶる歌三首」、とあります。