鶯(うぐいす) Uguisu(Japanese bush warbler)
スズメ目ウグイス科の鳥です。全国に生息し、春(はる)に「ホーホケキョ」と鳴くことで知られています。早春に鳴くことから春告鳥(はるつげどり)とも呼ばれます。
- Uguisu is a bird of the Warbler family in passerine. It inhabits the whole country in Japan and is known for warbling "Ho-hokekyo" in spring. It is also called Haru-tsuge-dori( birds telling spring ) because it sings in early spring.
鶯(うぐいす)を詠んだ歌
万葉集には、霍公鳥(ほととぎす)についで多くの歌に詠まれています。春(はる)、梅(うめ)とのセットで詠まれることが多く、「鴬鳴くも」というフレーズが多く詠み込まれています。昔から春の鳥の代表格なのですね。
0824: 梅の花散らまく惜しみ我が園の竹の林に鴬鳴くも
0827: 春されば木末隠りて鴬ぞ鳴きて去ぬなる梅が下枝に
0837: 春の野に鳴くや鴬なつけむと我が家の園に梅が花咲く
0838: 梅の花散り乱ひたる岡びには鴬鳴くも春かたまけて
0841: 鴬の音聞くなへに梅の花我家の園に咲きて散る見ゆ
0842: 我がやどの梅の下枝に遊びつつ鴬鳴くも散らまく惜しみ
0845: 鴬の待ちかてにせし梅が花散らずありこそ思ふ子がため
0948: ま葛延ふ春日の山はうち靡く春さりゆくと山の上に.......(長歌)
1012: 春さればををりにををり鴬の鳴く我が山斎ぞやまず通はせ
1053: 吾が大君神の命の高知らす布当の宮は.......(長歌)
1057: 鹿背の山木立を茂み朝さらず来鳴き響もす鴬の声
1431: 百済野の萩の古枝に春待つと居りし鴬鳴きにけむかも
1441: うち霧らひ雪は降りつつしかすがに我家の苑に鴬鳴くも
1443: 霞立つ野の上の方に行きしかば鴬鳴きつ春になるらし
1755: 鴬の卵の中に霍公鳥独り生れて己が父に.......(長歌)
1819: うち靡く春立ちぬらし我が門の柳の末に鴬鳴きつ
1820: 梅の花咲ける岡辺に家居れば乏しくもあらず鴬の声
1821: 春霞流るるなへに青柳の枝くひ持ちて鴬鳴くも
1824: 冬こもり春さり来ればあしひきの山にも野にも鴬鳴くも
1825: 紫草の根延ふ横野の春野には君を懸けつつ鴬鳴くも
1826: 春されば妻を求むと鴬の木末を伝ひ鳴きつつもとな
1829: 梓弓春山近く家居れば継ぎて聞くらむ鴬の声
1837: 山の際に鴬鳴きてうち靡く春と思へど雪降りしきぬ
1840: 梅が枝に鳴きて移ろふ鴬の羽白妙に沫雪ぞ降る
1845: 鴬の春になるらし春日山霞たなびく夜目に見れども
1850: 朝な朝な我が見る柳鴬の来居て鳴くべく森に早なれ
1854: 鴬の木伝ふ梅のうつろへば桜の花の時かたまけぬ
1873: いつしかもこの夜の明けむ鴬の木伝ひ散らす梅の花見む
1888: 白雪の常敷く冬は過ぎにけらしも春霞たなびく野辺の鴬鳴くも
1890: 春山の友鴬の泣き別れ帰ります間も思ほせ我れを
1892: 春山の霧に惑へる鴬も我れにまさりて物思はめやも
1935: 春さればまづ鳴く鳥の鴬の言先立ちし君をし待たむ
1988: 鴬の通ふ垣根の卯の花の憂きことあれや君が来まさぬ
3221: 冬こもり春さり来れば朝には白露置き.......(長歌)
3915: あしひきの山谷越えて野づかさに今は鳴くらむ鴬の声
3941: 鴬の鳴くくら谷にうちはめて焼けは死ぬとも君をし待たむ
3966: 鴬の鳴き散らすらむ春の花いつしか君と手折りかざさむ
3968: 鴬の来鳴く山吹うたがたも君が手触れず花散らめやも
3969: 大君の任けのまにまにしなざかる越を治めに.......(長歌)
3971: 山吹の茂み飛び潜く鴬の声を聞くらむ君は羨しも
4030: 鴬は今は鳴かむと片待てば霞たなびき月は経につつ
4166: 時ごとにいやめづらしく八千種に草木花咲き.......(長歌)
4277: 袖垂れていざ我が園に鴬の木伝ひ散らす梅の花見に
4286: 御園生の竹の林に鴬はしば鳴きにしを雪は降りつつ
4287: 鴬の鳴きし垣内ににほへりし梅この雪にうつろふらむか
4290: 春の野に霞たなびきうら悲しこの夕影に鴬鳴くも
4445: 鴬の声は過ぎぬと思へどもしみにし心なほ恋ひにけり
4488: み雪降る冬は今日のみ鴬の鳴かむ春へは明日にしあるらし
4490: あらたまの年行き返り春立たばまづ我が宿に鴬は鳴け
4495: うち靡く春ともしるく鴬は植木の木間を鳴き渡らなむ