春山 霧惑在 鴬 我益 物念哉
柿本朝臣人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より
春山の、霧(きり)に惑(まと)へる、鴬(うぐひす)も、我れにまさりて、物思はめやも
春山の霧(きり)に迷っている鴬(うぐいす)も、私以上に物思いにふけることでしょうか。(いや、そんなことはない。)
「春の相聞」歌の一つなので、好きな人のことを想い悩んでいることを詠んだ歌なのでしょうね。