霍公鳥(ほととぎす) Hototogisu(little cuckoo)

霍公鳥(ほととぎす) by 写真AC

霍公鳥(ほととぎす)は、ホトトギス目ホトトギス科の鳥です。全長が27センチくらいです。全体に灰色で、胸から腹にかけて横斑があります。「キョキョキョ」と鋭い鳴き声だそうです。

- Hototogisu(little cuckoo) is a member of the Cuculus poliocephalus family. It's total length is about 27 cm. It is gray throughout and has lateral spots from chest to belly. It cries sharply 'kyo-kyo-kyo'.

霍公鳥(ほととぎす)を詠んだ歌 Poems including Hototogisu

万葉集では153首にも登場します。大伴家持(おおとものやかもち)が詠んだ歌が多いですね。また、卯の花橘(たちばな)などの花とのセットで詠まれている歌も多くあります。

0112: いにしへに恋ふらむ鳥は霍公鳥けだしや鳴きし我が念へるごと

0423: つのさはふ磐余の道を朝さらず行きけむ人の.......(長歌)

1058: 狛山に鳴く霍公鳥泉川渡りを遠みここに通はず

1465: 霍公鳥いたくな鳴きそ汝が声を五月の玉にあへ貫くまでに

1466: 神奈備の石瀬の社の霍公鳥毛無の岡にいつか来鳴かむ

1467: 霍公鳥なかる国にも行きてしかその鳴く声を聞けば苦しも

1468: 霍公鳥声聞く小野の秋風に萩咲きぬれや声の乏しき

1469: あしひきの山霍公鳥汝が鳴けば家なる妹し常に偲はゆ

1470: もののふの石瀬の社の霍公鳥今も鳴かぬか山の常蔭に

1472: 霍公鳥来鳴き響もす卯の花の伴にや来しと問はましものを

1473: 橘の花散る里の霍公鳥片恋しつつ鳴く日しぞ多き

1474: 今もかも大城の山に霍公鳥鳴き響むらむ我れなけれども

1475: 何しかもここだく恋ふる霍公鳥鳴く声聞けば恋こそまされ

1476: ひとり居て物思ふ宵に霍公鳥こゆ鳴き渡る心しあるらし

1477: 卯の花もいまだ咲かねば霍公鳥佐保の山辺に来鳴き響もす

1480: 我が宿に月おし照れり霍公鳥心あれ今夜来鳴き響もせ

1481: 我が宿の花橘に霍公鳥今こそ鳴かめ友に逢へる時

1482: 皆人の待ちし卯の花散りぬとも鳴く霍公鳥我れ忘れめや

1483: 我が背子が宿の橘花をよみ鳴く霍公鳥見にぞ我が来し

1484: 霍公鳥いたくな鳴きそひとり居て寐の寝らえぬに聞けば苦しも

1486: 我が宿の花橘を霍公鳥来鳴かず地に散らしてむとか

1487: 霍公鳥思はずありき木の暗のかくなるまでに何か来鳴かぬ

1488: いづくには鳴きもしにけむ霍公鳥我家の里に今日のみぞ鳴く

1490: 霍公鳥待てど来鳴かず菖蒲草玉に貫く日をいまだ遠みか

1491: 卯の花の過ぎば惜しみか霍公鳥雨間も置かずこゆ鳴き渡る

1493: 我が宿の花橘を霍公鳥来鳴き響めて本に散らしつ

1494: 夏山の木末の茂に霍公鳥鳴き響むなる声の遥けさ

1495: あしひきの木の間立ち潜く霍公鳥かく聞きそめて後恋ひむか

1497: 筑波嶺に我が行けりせば霍公鳥山彦響め鳴かましやそれ

1498: 暇なみ来まさぬ君に霍公鳥我れかく恋ふと行きて告げこそ

1499: 言繁み君は来まさず霍公鳥汝れだに来鳴け朝戸開かむ

1501: 霍公鳥鳴く峰の上の卯の花の憂きことあれや君が来まさぬ

1505: 霍公鳥鳴きしすなはち君が家に行けと追ひしは至りけむかも

1506: 故郷の奈良思の岡の霍公鳥言告げ遣りしいかに告げきや

1507: いかといかとある我が宿に百枝さし.......(長歌)

1509: 妹が見て後も鳴かなむ霍公鳥花橘を地に散らしつ

1755: 鴬の卵の中に霍公鳥独り生れて己が父に.......(長歌)>

1756: かき霧らし雨の降る夜を霍公鳥鳴きて行くなりあはれその鳥

1937: 大夫の出で立ち向ふ故郷の神なび山に.......(長歌)

1938: 旅にして妻恋すらし霍公鳥神なび山にさ夜更けて鳴く

1939: 霍公鳥汝が初声は我れにもが五月の玉に交へて貫かむ

1940: 朝霞たなびく野辺にあしひきの山霍公鳥いつか来鳴かむ

1942: 霍公鳥鳴く声聞くや卯の花の咲き散る岡に葛引く娘女

1943: 月夜よみ鳴く霍公鳥見まく欲り我れ草取れり見む人もがも

1944: 藤波の散らまく惜しみ霍公鳥今城の岡を鳴きて越ゆなり

1945: 朝霧の八重山越えて霍公鳥卯の花辺から鳴きて越え来ぬ

1946: 木高くはかつて木植ゑじ霍公鳥来鳴き響めて恋まさらしむ

1947: 逢ひかたき君に逢へる夜霍公鳥他時よりは今こそ鳴かめ

1948: 木の暗の夕闇なるに霍公鳥いづくを家と鳴き渡るらむ

1949: 霍公鳥今朝の朝明に鳴きつるは君聞きけむか朝寐か寝けむ

1950: 霍公鳥花橘の枝に居て鳴き響もせば花は散りつつ

1951: うれたきや醜霍公鳥今こそば声の嗄るがに来鳴き響めめ

1952: 今夜のおほつかなきに霍公鳥鳴くなる声の音の遥けさ

1953: 五月山卯の花月夜霍公鳥聞けども飽かずまた鳴かぬかも

1954: 霍公鳥来居も鳴かぬか我がやどの花橘の地に落ちむ見む

1955: 霍公鳥いとふ時なしあやめぐさかづらにせむ日こゆ鳴き渡れ

1956: 大和には鳴きてか来らむ霍公鳥汝が鳴くごとになき人思ほゆ

1957: 卯の花の散らまく惜しみ霍公鳥野に出で山に入り来鳴き響もす

1958: 橘の林を植ゑむ霍公鳥常に冬まで棲みわたるがね

1959: 雨晴れの雲にたぐひて霍公鳥春日をさしてこゆ鳴き渡る

1960: 物思ふと寐ねぬ朝明に霍公鳥鳴きてさ渡るすべなきまでに

1961: 我が衣を君に着せよと霍公鳥我れをうながす袖に来居つつ

1962: 本つ人霍公鳥をやめづらしく今か汝が来る恋ひつつ居れば

1963: かくばかり雨の降らくに霍公鳥卯の花山になほか鳴くらむ

1968: 霍公鳥来鳴き響もす橘の花散る庭を見む人や誰れ

1976: 卯の花の咲き散る岡ゆ霍公鳥鳴きてさ渡る君は聞きつや

1977: 聞きつやと君が問はせる霍公鳥しののに濡れてこゆ鳴き渡る

1978: 橘の花散る里に通ひなば山霍公鳥響もさむかも

1979: 春さればすがるなす野の霍公鳥ほとほと妹に逢はず来にけり

1980: 五月山花橘に霍公鳥隠らふ時に逢へる君かも

1981: 霍公鳥来鳴く五月の短夜もひとりし寝れば明かしかねつも

1991: 霍公鳥来鳴き響もす岡辺なる藤波見には君は来じとや

3165: 霍公鳥飛幡の浦にしく波のしくしく君を見むよしもがも

3352: 信濃なる須我の荒野に霍公鳥鳴く声聞けば時過ぎにけり

3754: 過所なしに関飛び越ゆる霍公鳥多我子尓毛止まず通はむ

3780: 恋ひ死なば恋ひも死ねとや霍公鳥物思ふ時に来鳴き響むる

3781: 旅にして物思ふ時に霍公鳥もとなな鳴きそ我が恋まさる

3782: 雨隠り物思ふ時に霍公鳥我が住む里に来鳴き響もす

3783: 旅にして妹に恋ふれば霍公鳥我が住む里にこよ鳴き渡る

3784: 心なき鳥にぞありける霍公鳥物思ふ時に鳴くべきものか

3785: 霍公鳥間しまし置け汝が鳴けば我が思ふ心いたもすべなし

霍公鳥(ほととぎす) by 写真AC

3909: 橘は常花にもが霍公鳥住むと来鳴かば聞かぬ日なけむ

3910: 玉に貫く楝を家に植ゑたらば山霍公鳥離れず来むかも

3911: あしひきの山辺に居れば霍公鳥木の間立ち潜き鳴かぬ日はなし

3912: 霍公鳥何の心ぞ橘の玉貫く月し来鳴き響むる

3913: 霍公鳥楝の枝に行きて居ば花は散らむな玉と見るまで

3914: 霍公鳥今し来鳴かば万代に語り継ぐべく思ほゆるかも

3916: 橘のにほへる香かも霍公鳥鳴く夜の雨にうつろひぬらむ

3917: 霍公鳥夜声なつかし網ささば花は過ぐとも離れずか鳴かむ

3918: 橘のにほへる園に霍公鳥鳴くと人告ぐ網ささましを

3919: あをによし奈良の都は古りぬれどもと霍公鳥鳴かずあらなくに

3946: 霍公鳥鳴きて過ぎにし岡びから秋風吹きぬよしもあらなくに

3978: 妹も我れも心は同じたぐへれどいやなつかしく相見れば.......(長歌)

3983: あしひきの山も近きを霍公鳥月立つまでに何か来鳴かぬ

3984: 玉に貫く花橘をともしみしこの我が里に来鳴かずあるらし

3988: ぬばたまの月に向ひて霍公鳥鳴く音遥けし里遠みかも

3993: 藤波は咲きて散りにき卯の花は.......(長歌)

3996: 我が背子が国へましなば霍公鳥鳴かむ五月は寂しけむかも

3997: 我れなしとなわび我が背子霍公鳥鳴かむ五月は玉を貫かさね

4006: かき数ふ二上山に神さびて立てる栂の木.......(長歌)

4007: 我が背子は玉にもがもな霍公鳥声にあへ貫き手に巻きて行かむ

4008: あをによし奈良を来離れ天離る鄙にはあれど.......(長歌)

4035: 霍公鳥いとふ時なしあやめぐさかづらにせむ日こゆ鳴き渡れ

4042: 藤波の咲き行く見れば霍公鳥鳴くべき時に近づきにけり

4043: 明日の日の布勢の浦廻の藤波にけだし来鳴かず散らしてむかも

4050: めづらしき君が来まさば鳴けと言ひし山霍公鳥何か来鳴かぬ

4051: 多古の崎木の暗茂に霍公鳥来鳴き響めばはだ恋ひめやも

4052: 霍公鳥今鳴かずして明日越えむ山に鳴くとも験あらめやも

4053: 木の暗になりぬるものを霍公鳥何か来鳴かぬ君に逢へる時

4054: 霍公鳥こよ鳴き渡れ燈火を月夜になそへその影も見む

4066: 卯の花の咲く月立ちぬ霍公鳥来鳴き響めよ含みたりとも

4067: 二上の山に隠れる霍公鳥今も鳴かぬか君に聞かせむ

4068: 居り明かしも今夜は飲まむ霍公鳥明けむ朝は鳴き渡らむぞ

4069: 明日よりは継ぎて聞こえむ霍公鳥一夜のからに恋ひわたるかも

4084: 暁に名告り鳴くなる霍公鳥いやめづらしく思ほゆるかも

4089: 高御倉天の日継とすめろきの神の命の.......(長歌)

4090: ゆくへなくありわたるとも霍公鳥鳴きし渡らばかくや偲はむ

4091: 卯の花のともにし鳴けば霍公鳥いやめづらしも名告り鳴くなへ

4092: 霍公鳥いとねたけくは橘の花散る時に来鳴き響むる

4101: 珠洲の海人の沖つ御神にい渡りて.......(長歌)

4111: かけまくもあやに畏し天皇の.......(長歌)

4116: 大君の任きのまにまに取り持ちて.......(長歌)

4119: いにしへよ偲ひにければ霍公鳥鳴く声聞きて恋しきものを

4166: 時ごとにいやめづらしく八千種に草木花咲き.......(長歌)

4168: 毎年に来鳴くものゆゑ霍公鳥聞けば偲はく逢はぬ日を多み

4169: 霍公鳥来鳴く五月に咲きにほふ.......(長歌)

4171: 常人も起きつつ聞くぞ霍公鳥この暁に来鳴く初声

4172: 霍公鳥来鳴き響めば草取らむ花橘を宿には植ゑずて

4175: 霍公鳥今来鳴きそむあやめぐさかづらくまでに離るる日あらめや

4176: 我が門ゆ鳴き過ぎ渡る霍公鳥いやなつかしく聞けど飽き足らず

4177: 我が背子と手携はりて明けくれば.......(長歌)

4178: 我れのみし聞けば寂しも霍公鳥丹生の山辺にい行き鳴かにも

4179: 霍公鳥夜鳴きをしつつ我が背子を安寐な寝しめゆめ心あれ

4180: 春過ぎて夏来向へばあしひきの.......(長歌)

4181: さ夜更けて暁月に影見えて鳴く霍公鳥聞けばなつかし

4182: 霍公鳥聞けども飽かず網捕りに捕りてなつけな離れず鳴くがね

4183: 霍公鳥飼ひ通せらば今年経て来向ふ夏はまづ鳴きなむを

4189: 天離る鄙としあればそこここも.......(長歌)

4192: 桃の花紅色ににほひたる面輪のうちに.......(長歌)

4193: 霍公鳥鳴く羽触れにも散りにけり盛り過ぐらし藤波の花

4194: 霍公鳥鳴き渡りぬと告ぐれども我れ聞き継がず花は過ぎつつ

4195: 我がここだ偲はく知らに霍公鳥いづへの山を鳴きか越ゆらむ

4196: 月立ちし日より招きつつうち偲ひ待てど来鳴かぬ霍公鳥かも

4203: 家に行きて何を語らむあしひきの山霍公鳥一声も鳴け

4207: ここにしてそがひに見ゆる我が背子が.......(長歌)

4208: 我がここだ待てど来鳴かぬ霍公鳥ひとり聞きつつ告げぬ君かも

4209: 谷近く家は居れども木高くて里はあれども.......(長歌)

4210: 藤波の茂りは過ぎぬあしひきの山霍公鳥などか来鳴かぬ

4239: 二上の峰の上の茂に隠りにしその霍公鳥待てど来鳴かず

4305: 木の暗の茂き峰の上を霍公鳥鳴きて越ゆなり今し来らしも

4437: 霍公鳥なほも鳴かなむ本つ人かけつつもとな我を音し泣くも

4438: 霍公鳥ここに近くを来鳴きてよ過ぎなむ後に験あらめやも

4463: 霍公鳥まづ鳴く朝明いかにせば我が門過ぎじ語り継ぐまで

4464: 霍公鳥懸けつつ君が松蔭に紐解き放くる月近づきぬ

更新日: 2024年03月10日(日)