第八巻 : 霍公鳥来鳴き響もす卯の花の

2008年05月04(日)更新


原文: 霍公鳥 来鳴令響 宇乃花能 共也来之登 問麻思物乎

作者: 石上堅魚(いそのかみのかつを)

よみ: 霍公鳥(ほととぎす)、来(き)鳴き響(とよ)もす、卯(う)の花の、共(とも)にや来(こ)しと、問はましものを

意味: 霍公鳥(ほととぎす)が来て鳴いています。卯(う)の花と一緒にやってきたのかと、聞くことができたらいいのに。

卯の花 撮影(2008.05) by きょう

この歌の左注によりますと、神亀五年(西暦728年)に大伴旅人(おおとものたびと)の奥様の大伴郎女(おおとものいらつめ)さんが病気のために亡くなり、石上堅魚(いそのかみのかつを)が弔いに都から遣わされました。弔いのことが完了した後に、大伴旅人(おおとものたびと)や大宰府のお役人の人々と記夷城(きいじょう)に登って望遊した日に、この歌を詠んだとのことです。

記夷城(きいじょう)は現在の福岡県と佐賀県の県境にある基山(きざん/きやま)とのことです。


第八巻