卯(う)の花 Unohana(Deutzia)

ウツギ by 写真AC

ユキノシタ科ウツギ属の落葉低木である空木(うつぎ)の花のことです。日本原産です。5月頃に白い5弁の花を沢山咲かせます。幹の中が中空で、空ろな木だから「空木(うつぎ)」だということです。

- Unohana is the flower of the Utsugi(Deutzia) that is a deciduous shrub of the genus Euphorbiaceae. It is native to Japan. Many white 5-bent flowers come in bloom around May. The inside of the trunk of the tree is hollow, so it is called Utsugi(utsu means hollowness and gi means tree in Japanese).

卯(う)の花を詠んだ歌

万葉集には24首に登場します。その多くが、霍公鳥(ほととぎす)とセットで詠まれています。「卯の花の匂う垣根にホトトギス早も来鳴きて。。。」という歌を聞いたことがありますよね。

- Many of the poems on which Unohana is wrtten are composed together with Hototogisu.

1259: 佐伯山卯の花持ちし愛しきが手をし取りてば花は散るとも

1472: 霍公鳥来鳴き響もす卯の花の伴にや来しと問はましものを

1477: 卯の花もいまだ咲かねば霍公鳥佐保の山辺に来鳴き響もす

1482: 皆人の待ちし卯の花散りぬとも鳴く霍公鳥我れ忘れめや

1491: 卯の花の過ぎば惜しみか霍公鳥雨間も置かずこゆ鳴き渡る

1501: 霍公鳥鳴く峰の上の卯の花の憂きことあれや君が来まさぬ

1755: 鴬の卵の中に霍公鳥独り生れて己が父に.......(長歌)

1899: 春されば卯の花ぐたし我が越えし妹が垣間は荒れにけるかも

1942: 霍公鳥鳴く声聞くや卯の花の咲き散る岡に葛引く娘女

1945: 朝霧の八重山越えて霍公鳥卯の花辺から鳴きて越え来ぬ

1953: 五月山卯の花月夜霍公鳥聞けども飽かずまた鳴かぬかも

1957: 卯の花の散らまく惜しみ霍公鳥野に出で山に入り来鳴き響もす

1963: かくばかり雨の降らくに霍公鳥卯の花山になほか鳴くらむ

1975: 時ならず玉をぞ貫ける卯の花の五月を待たば久しくあるべみ

1976: 卯の花の咲き散る岡ゆ霍公鳥鳴きてさ渡る君は聞きつや

1988: 鴬の通ふ垣根の卯の花の憂きことあれや君が来まさぬ

1989: 卯の花の咲くとはなしにある人に恋ひやわたらむ片思にして

3978: 妹も我れも心は同じたぐへれどいやなつかしく相見れば.......(長歌)

3993: 藤波は咲きて散りにき卯の花は今ぞ盛りとあしひきの.......(長歌)

4008: あをによし奈良を来離れ天離る鄙にはあれど我が背子を.......(長歌)

4066: 卯の花の咲く月立ちぬ霍公鳥来鳴き響めよ含みたりとも

4089: 高御倉天の日継とすめろきの神の命の聞こしをす国の.......(長歌)

4091: 卯の花のともにし鳴けば霍公鳥いやめづらしも名告り鳴くなへ

4217: 卯の花を腐す長雨の始水に寄る木屑なす寄らむ子もがも

補足

更新日: 2022年04月17日(日)