原文 Original Text
冨等登藝須 奈保毛奈賀那牟 母等都比等 可氣都々母等奈 安乎祢之奈久母
作者 Author
元正天皇(げんしょうてんのう) Empress Gensho
よみ Reading
霍公鳥(ほととぎす) なほも鳴かなむ 本(もと)つ人 かけつつもとな 我(あ)を音(ね)し泣くも
- Hototogisu Nahomo nakanamu Mototsu hito Kaketsutsu motona A wo neshi nakumo.
意味 Meaning
霍公鳥(ほととぎす)よ、もっと鳴いてください。(亡くなった)あの人のことを思い出させて、私を泣かせるけども。
- rough meaning: Please sing more, Hototogisu. Your cries remind me of someone who has passed away and make me cry. (It is generally said that this poem was written in memory of her mother Empress Genmei.)
・「本(もと)つ人(ひと)」は、身近な人を言います。元正天皇は、身近なだれを偲(しの)んで泣いたのでしょうか。通説では、母である元明天皇(げんめい天皇)を偲んで詠んだ歌とされています。
補足 Notes
この歌の題詞には、「先の太上天皇(おおきすめらみこと)の御製の霍公鳥(ほととぎす)の歌一首 [日本根子高瑞日清足姫天皇(やまとねこたかみづひきよたらしひめのすめらみこと:元正天皇)也]」とあります。