原文 Original Text
保登等藝須 安不知能枝尓 由吉底居者 花波知良牟奈 珠登見流麻泥
作者 Author
大伴家持(おおとものやかもち) Otomo-no-Yakamochi
よみ Reading
霍公鳥(ほととぎす) 楝(あふち)の枝に 行きて居(ゐ)ば 花は散らむな 玉と見るまで
- Hototogisu Afuchi no eda ni Yukite yi ba Hana ha chiramu na Tama to miru made.
意味 Meaning
霍公鳥(ほととぎす)が楝(あふち)の枝にとまったら、花が散ってしまうでしょうね、まるで玉が散るように。
- rough meaning: If a Hototogisu were to land on the branch of that Afuchi, the flowers would fall just like beads. (This is the poem that Otomo-no-Yakamochi send to his younger brother Fumimochi.)
補足 Notes
この歌を含む3911番歌の題詞には「橙橘(とうきつ:柑橘類)初めて咲き、霍公鳥(ほととぎす)飜(かけ)り嚶(な)く。 この時候に對(むか)ひ、あに志を暢(の)べざらめやも。因(よ)りて三首の短歌を作り、以て欝結(うつけつ)の緒(こころ)を散らさまくのみ。」とあります。また、この歌の左注には「右、四月三日に内舎人(うちどねり)大伴宿祢家持(おおとものすくねやかもち)、久邇京(くにのみやこ)より弟(おとひと)書持(ふみもち)に報(こた)へ送る。」とあります。