原文

春過而 夏来向者 足桧木乃 山呼等余米 左夜中尓 鳴霍公鳥 始音乎 聞婆奈都可之 菖蒲 花橘乎 貫交 可頭良久麻<泥>尓 里響 喧渡礼騰母 尚之努波由

作者

大伴家持(おおとものやかもち)

よみ

春(はる)過ぎて 夏(なつ)来(き)向へば あしひきの 山呼び響め さ夜中に 鳴く霍公鳥(ほととぎす) 初声(はつこえ)を 聞けばなつかし あやめぐさ 花橘(はなたちばな)を 貫(ぬき)き交(まじ)へ かづらくまでに 里(さと)響(とよ)め 鳴き渡れども なほし偲(しの)はゆ

意味

里の風景 撮影(2018.04) by きょう

春(はる)が過ぎて、夏(なつ)がくると、山では仲間を呼ぶかに様に鳴き、夜中に鳴く霍公鳥(ほととぎす)の初声を聞くと心惹かれます。あやめ草や花橘(はなたちばな)を玉にぬいて、かづらにする頃まで里で鳴きまわっているけれど、ゆはり心惹かれるものです。

補足

この歌の題詞には、「霍公鳥(ほととぎす)に感(め)ずる情(こころ)に飽(あ)かずして、懐(おもい)を述べて作る歌一首[并(あわ)せて短歌]。」とあります。

更新日: 2018年04月29日(日)