TESMIC SYSTEMS 野鳥散策(三宅博写真集)より

万葉集には、鳥や獣、魚なども多くの歌に詠まれています。特に鳥を花や自然とセットで詠んだ歌が多く、季節ごとの自然や生き物の活動を生活の中でしっかりと感じていたのだろうと思われます。

- In Manyoshu, birds, beasts, fish, etc. are written in many poems. In particular, there are many poems that describe birds with flowers and/or nature, and it seems that people had felt the activities of nature and creatures in each season firmly in their lives.

鳥・獣

  • 鳥(とり)を詠んだ歌

    鳥を詠んだ歌は600首ほどありますが、季節を知らせる鳥として詠まれているものが目立つます。

  • 犬(いぬ)を詠んだ歌

    犬(いぬ)を詠んだ歌は、4首だけです。狩を共にしたことがうかがえる歌もあります。

  • 兎(うさぎ)を詠んだ歌

    兎といえば、「因幡(いなば)の白兎」ですね。だから、昔から身近な動物かと思うのですが、万葉集に詠まれているのはたった1首です。

  • 牛(うし)を詠んだ歌

    牛は大陸から渡ってきて、家畜として使われてきました。田での労働力として使われるのが主でしたし、仏教の影響もあって、肉を食べることもあまりなかったとのことです。

  • 馬(うま)を詠んだ歌

    万葉歌では、馬、駒(こま)、赤駒、黒駒、黒馬、青馬などと詠まれています。旅を共にした馬を詠んだ歌もあります。

  • 狐(きつね)を詠んだ歌

    狐(きつね)は古来から日本にいます。古代では、農耕の神さまの”化身”または”使い”と考えられていたようです。

  • 鯨(くじら)を詠んだ歌

    古代では鯨魚(いさな)と呼ばれ、セミクジラ・ナガスクジラ・コクジラなどをはじめ、イルカなども含まれるようです。

  • 猿(さる)を詠んだ歌

    猿(さる)は昔から日本に住んでいたようで、その骨は縄文時代の遺跡からも発見されています。万葉集では、1首だけです。

  • 鹿(しか)を詠んだ歌

    鹿(しか)を詠んだ歌は、68首にもなりますが、多くは鹿の鳴く声を詠んだものです。鹿とともに萩を同時に詠みこんだ歌も多くあります。

  • 虎(とら)を詠んだ歌

    虎(とら)を詠んだ歌は、3首だけです。神のように強い動物だと考えられていたことが歌からうかがわれます。

  • ムササビを詠んだ歌

    ムササビはリス科の獣です。夜、木から木に飛び移ることから、昔の人の中には妖怪か何かと思っている人も居たようです。

魚など

  • 鮎(あゆ)を詠んだ歌

    秋に川で生まれ、海で越冬、春に川へ戻って夏を過ごし、秋に産卵し1年という短い一生を終えます。万葉歌の原文では「年魚(あゆ)」とも書かれています。

  • 鮑(あわび)を詠んだ歌

    大型の巻貝で味が良いので、古代から食用として用いられています。2首の恋の歌に詠まれています。

  • 鰻(うなぎ)を詠んだ歌

    胸黄(むなき)と呼ばれていたのが、ウナギになったと考えられています。歌からは万葉の人たちにも夏やせに効果があると思っていたことがわかりますね。

  • 鰹(かつお)を詠んだ歌

    鰹(かつお)は古代からよく食べられていたようです。平城京跡出土の木簡(もっかん)からも鰹(かつお)が各地から納められたことが分かっています。

  • 亀(かめ)を詠んだ歌

    亀(かめ)を詠んだ歌は二首しかありません。一つは、恋の病に苦しむ人を占うために亀の甲羅を焼くというものです。

  • 鱸(すずき)を詠んだ歌

    出世魚のひとつとして知られている鱸(すずき)ですが、この魚も縄文時代から食べられていたようです。

  • 鯛(たい)を詠んだ歌

    縄文時代の遺跡から鯛(たい)の骨がでてくるので、その頃から食べられていたようです。ただ、万葉集には2首しか載っていません。

  • 鮪(まぐろ)を詠んだ歌

    波怒棄館(はぬきだて)遺跡(宮城県気仙沼市)から鮪の骨が多数出土しており、その頃から食べられていたようです。万葉集には2首だけ載っています。

その他・昆虫など

  • 蜻蛉(あきづ)を詠んだ歌

    収穫の季節に飛び回る赤トンボは、田の神の使いとして考えられていたようです。トンボの羽のように薄くて高級な布、衣を詠んだ歌が2首あります。

  • 蚕(かいこ)を詠んだ歌

    蚕(かいこ)は蛾(が)の一種の幼虫です。桑(くわ)の葉を食べ、繭(まゆ)を作ります。この繭を糸織(いとお)りして絹(きぬ)がとれるのです。

  • 蝦(かはづ)を詠んだ歌

    万葉集の20首に詠まれている蛙は、だいたいが、「河鹿蛙(カジカガエル)」のことと言われています。

  • 蜘蛛(くも)を詠んだ歌

    蜘蛛(クモ)を詠んだ歌は一首だけです。さすがに蜘蛛は、歌の題材としては好まれなかったのですね。

  • 蟋蟀(こほろぎ)を詠んだ歌

    万葉集に詠まれている蟋蟀(こほろぎ)は、秋に鳴く虫の総称と考えられています。古代から虫の音に親しんでいたのですね。

  • 蝉(せみ)を詠んだ歌

    蝉(せみ)を詠んだ歌は十首あります。その多くは、ひぐらしを詠んでおり、歌からは一人の寂しさが感じられます。

  • 蝶(ちょう)を詠んだ歌

    万葉集には一首もありませんが、大伴家持(おおとものやかもち)の歌の説明(漢文)に登場します。

更新日: 2020年08月02日(日)