鮎(あゆ)
鮎(あゆ)はアユ科の魚類です。秋に川で生まれ、海で越冬、春に川へ戻って夏を過ごし、秋に産卵し1年という短い一生を終えます。占いにも使われたよう(で、「鮎」という字が当てられたといわれています。万葉歌の原文では「年魚(あゆ)」とも書きます。
- Ayu is a fish of the sweetfish family. Born in the river in autumn, wintering in the sea, returning to the river in spring, spending summer in the fall, laying eggs in the fall and ending a short life of a year. In an ancient time, it seems to have been used for fortunetelling (therefore, it is said that the letter 「鮎」 was assigned). In the original letter of some manyo poems, it is written 「年魚(ayu)」.
鮎(あゆ)を詠んだ歌
鮎(あゆ)を詠み込んだ歌のほとんどは、大伴旅人と大伴家持が詠んでいます。親子そろって鮎好きだったのでしょうか・・・
鮎(あゆ)の稚魚(ちぎょ)を「氷魚(ひお)」といい1首だけに詠まれています。
0475: かけまくもあやに畏し言はまくも.......(長歌)
0855: 松浦川川の瀬光り鮎釣ると立たせる妹が裳の裾濡れぬ
0856: 松浦なる玉島川に鮎釣ると立たせる子らが家道知らずも
0857: 遠つ人松浦の川に若鮎釣る妹が手本を我れこそ卷かめ
0858: 若鮎釣る松浦の川の川なみの並にし思はば我れ恋ひめやも
0859: 春されば我家の里の川門には鮎子さ走る君待ちがてに
0861: 松浦川川の瀬早み紅の裳の裾濡れて鮎か釣るらむ
0863: 松浦川玉島の浦に若鮎釣る妹らを見らむ人の羨しさ
0869: 足姫神の命の魚釣らすとみ立たしせりし石を誰れ見き[一云 鮎釣ると]
0960: 隼人の瀬戸の巌も鮎走る吉野の瀧になほしかずけり
3260: 小治田の年魚道の水を間なくぞ.......(長歌)
3330: 隠口の泊瀬の川の上つ瀬に.......(長歌)
3839: 我が背子が犢鼻にするつぶれ石の吉野の山に氷魚ぞ下がれる
4011: 大君の遠の朝廷ぞみ雪降る.......(長歌)
4156: あらたまの年行きかはり春されば.......(長歌)
4158: 年のはに鮎し走らば辟田川鵜八つ潜けて川瀬尋ねむ