原文 Original Text
敷治奈美乃 志氣里波須疑奴 安志比紀乃 夜麻保登等藝須 奈騰可伎奈賀奴
作者 Author
久米広縄(くめのひろなわ) Kume-no-Hironawa
よみ Reading

藤波(ふぢなみ)の 茂(しげ)りは過ぎぬ あしひきの 山霍公鳥(やまほととぎす) などか来(き)鳴かぬ
- Fujinami no Shigeri wa suginu Ashihiki-no Yama-Hototogisu Nado ka ki-nakanu.
意味 Meaning

藤(ふじ)の花の盛りは過ぎてしまいましたのに、どうして山霍公鳥(やまほととぎす)は来て鳴いてくれないのでしょうか。
- rough meaning: Why does the Hototogisu in the mountain not come and sing, even though the wisteria flowers have already passed their peak?
補足 Note
・この歌の左注には「右廿三日 掾(じょう)久米朝臣廣縄(くめのあそんひろなわ)和す」とあります。
・この歌は、大伴家持(おおとものやかもち)から贈られた4209番歌(「君のところにはとっくに霍公鳥(ほととぎす)が来て鳴いているでしょうに、それを知らせないのはズルいよ。」)に返した歌です。