原文
梅花 其跡毛不所見 零雪之 市白兼名 間使遣者 [一云 零雪尓 間使遣者 其将知奈]
作者
不明
よみ
梅の花、それとも見えず、降る雪の、いちしろけむな、間使(まつかひ)遣(や)らば [一に云ふ 降る雪に、間使(まつかひ)遣(や)らば、それと知らなむ]
意味
どれが梅の花なのか、見分けがつかないほど降る雪のように、目立って(あなたとの関係が人にわかって)しまうでしょうね、使いをあなたに遣ったならば。[または、降る雪に、使いをあなたに遣ったならば、人にそれ(あなたとの関係)を知られてしまうでしょうね。]
「いちしろく」とは、明らか、目立つという意味です。
補足
「冬の相聞(そうもん)」のひとつです。この歌をふくむ2337番歌の題詞に「雪に寄せる」とあります。