原文
賣比能野能 須々吉於之奈倍 布流由伎尓 夜度加流家敷之 可奈之久於毛倍遊
作者
よみ
婦負(めひ)の野の すすき押しなべ 降る雪(ゆき)に 宿(やど)借る今日(けふ)し 悲しく思ほゆ
意味
婦負(めひ)の野のすすきをなびかせて降る雪(ゆき)の中で宿を借りる今日は悲しく思われます。
・婦負(めひ)は、越中国(こしのなかのくに)の郡のひとつで、現在の富山県富山市婦中町あたりとされています。
- rough meaning: I'm sad today to rent an inn in the snow falling over susuki in an unfamiliar place.
補足
・この歌の左注には「右、此(この)歌を傳誦(でんしょう)するは、三國真人五百國(みくにのまひといほくに)是也(これなり)」とあります。三國真人五百國がどういう人かは不明です。