原文 Original Text
吾岡之 於可美尓言而 令落 雪之摧之 彼所尓塵家武
作者 Author
藤原夫人(ふじわらのぶにん) Fujiwara-no-Bunin
よみ Reading
我(わ)が岡(おか)の おかみに言ひて 降らしめし 雪(ゆき)のくだけし そこに散りけむ
- Waga woka no Okami ni ihite Furashi-meshi Yuki no kudakeshi Soko ni chiri kemu
意味 Meaning
私の住んでいる岡の水の神様にお願いして降らせた雪(ゆき)の欠片(かけら)がそちらに散ったのでしょうね。
・天武天皇(てんむてんのう)が藤原鎌足(ふじわらのかまたり)の娘さんである藤原夫人(ふじわらのぶにん)に贈った0103番歌に応じて詠んだ歌です。「我(わ)が岡(おか)」は、天武天皇(てんむてんのう)がいた飛鳥の都のからわずか1キロメートル程度離れた場所です。
- rough meaning: I guess the pieces of snow that I asked the god of water in Oka of Ohara where I live to fall were scattered there(where you are).
- TThis poem is composed in response to poem no.0103, which Emperor Tenmu gave to Fujiwara-no-Bunin(Emperor Tenmu's wife).
補足 Notes
・この歌の題詞に「藤原夫人(ふじわらのぶにん)の和(こた)へ奉(まつ)る歌一首」とあります。
・写真は、明日香の大原の大原神社にある、天武天皇(てんむてんのう)の歌とこの藤原夫人からの返歌を刻んだ万葉歌碑です。