原文

天雲乎 富呂尓布美安太之 鳴神毛 今日尓益而 可之古家米也母

作者

縣犬養三千代(あがたのいぬかいのみちよ)

よみ

天雲(あまくも)、を、ほろに踏みあだし、鳴る神も、今日にまさりて畏(かしこ)けめやも

意味

雲 撮影(2017) by きょう

天の雲(くも)をばらばらに踏み散らして鳴る雷(かみなり)でも、今日以上に恐れ多いことがありますでしょうか。

縣犬養三千代(あがたのいぬかいのみちよ)が聖武天皇に献上した歌で、天皇を畏怖する気持ちを詠んだ歌と考えられています。

補足

この歌の題詞には、「太政大臣藤原家の縣犬養命婦(あがたのいぬかいのみょうぶ)、天皇(ここでは聖武天皇のこと)に奉(たてまつ)る歌一首」とあります。

この歌の左注には、「右一首、傳誦(でんしょう)するは掾(じょう)久米朝臣廣縄(くめのあそんひろつな)也(なり)」とあります。

更新日: 2018年07月22日(日)