第十九巻 : 君が家に植ゑたる萩の初花を

2009年08月16日(日)更新


原文: 君之家尓 殖有芽子之 始花乎 折而挿頭奈 客別度知

作者: 久米広縄(くめのひろなわ)

君が家(いへ)に、植ゑたる萩(はぎ)の、初花(はつはな)を、折りてかざさな、旅(たび)別るどち

意味: あなた様の家に植えてある萩(はぎ)の初花(はつはな)を手折って髪飾りにしましょう。お互いに旅をし別れる友の私たち(のために)。

萩 撮影(2006.08) by きょう

久米広縄(くめのひろなわ)が都から越中に戻ってくるときに、天平勝宝3年(西暦751年)8月5日に大伴池主(おおとものいけぬし)の館で、大伴家持(おおとものやかもち)に出会いました。このとき、大伴家持(おおとものやかもち)は天平勝宝3年(751)7月17日に少納言(しょうなごん)に任命され、都に行く途中でした。

この歌の「君が家(いへ)」は、大伴池主(おおとものいけぬし)の館のことです。


第十九巻