玉垂之 小簾之間通 獨居而 見驗無 暮月夜鴨
不明
玉垂(たまだれ)の、小簾(をす)の間通(まとほ)し、ひとり居(ゐ)て、見る験なき、夕月夜(ゆふつくよ)かも
一人で居ては、簾(すだれ)の間を通して見るかいもない、この夕月夜です。
「玉垂(たまだれ)の」で、小簾(をす)を導いています。玉垂(たまだれ)は、穴をあけた玉を緒(を: 糸/紐(ひも)のこと)に通して垂らした簾(すだれ)をいいます。
「月を詠む」歌のひとつです。