
小簾(をす)/簾(すだれ)
小簾(をす)の「を」は接頭語で、簾(すだれ)のことです。簾(すだれ)は、葦(よし)や蒲(がま)の葉や茎を材料に作られてきました。
小簾(をす)/簾(すだれ)を詠んだ歌
万葉集には、5首に詠まれています。「風」にゆれる簾の情景が印象的です。
0488: 君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く
1073: 玉垂の小簾の間通しひとり居て見る験なき夕月夜かも
1606: 君待つと我が恋ひをれば我が宿の簾動かし秋の風吹く
2364: 玉垂の小簾のすけきに入り通ひ来ねたらちねの母が問はさば風と申さむ
2556: 玉垂の小簾の垂簾を行きかちに寐は寝さずとも君は通はせ
補足

簾(すだれ)に用いられた蒲(がま)は、ガマ科ガマ属の多年草で、沼地に生え、夏に円柱形の花穂をつけます。花粉には止血剤や鎮痛剤としての効能があるといわれています。
