万葉の時代の季節感は今の私たちの感覚とどう違っていたのでしょう。 昔の暦は、旧暦(きゅうれき)と言われ、私たちが使っている太陽暦とは違っていました。旧暦でいうところの、春・夏・秋・冬は、私たちの今の感覚からすると「ちょっと早いんじゃないの?」って感じです。
でも当時は、私たちがもっている季節感とはかなり違っていたようですね。また、旧暦では年毎に一年の長さが違うので、季節の感じ方もかなり幅を持っていたのだろうと考えられます。

- How was the feeling of season in the Manyo period different from our current sense? The old calendar was said to be the old lunar calendar, and it was different from the solar calendar we used. Spring, summer, autumn, and winter in terms of the lunar calendar are, according to our current sense, "It's not a bit early?" But at that time, it seemed to be quite different from the sense of season we have. Also, in the old calendar, the length of the year is different from year to year, so it may be considered that the feeling of the season also had considerable width.

月ごとの歌

四季を詠みこんだ歌のほかに、月(正月~十二月)を詠みこんだ歌もいくつかありますのでここにご紹介いたしますね。

正月(睦月:むつき) January

0815: 正月立ち春の来らばかくしこそ梅を招きつつ楽しき終へめ

4137: 正月立つ春の初めにかくしつつ相し笑みてば時じけめやも

2月(如月:きさらぎ) February

※ありません(No poems)

3月(弥生:やよい) March

※ありません(No poems)

4月(卯月:うづき) April

3885: いとこ汝背の君居り居りて物にい行くとは.......(長歌)

4166: 時ごとにいやめづらしく八千種に草木花咲き.......(長歌)

5月(皐月:さつき) May

0423: つのさはふ磐余の道を朝さらず行きけむ人の.......(長歌)

1465: 霍公鳥いたくな鳴きそ汝が声を五月の玉にあへ貫くまでに

1502: 五月の花橘を君がため玉にこそ貫け散らまく惜しみ

1504: 暇なみ五月をすらに我妹子が花橘を見ずか過ぎなむ

1507: いかといかとある我が宿に百枝さし.......(長歌)

1939: 霍公鳥汝が初声は我れにもが五月の玉に交へて貫かむ

1953: 五月山卯の花月夜霍公鳥聞けども飽かずまた鳴かぬかも

1975: 時ならず玉をぞ貫ける卯の花の五月を待たば久しくあるべみ

1980: 五月山花橘に霍公鳥隠らふ時に逢へる君かも

1981: 霍公鳥来鳴く五月の短夜もひとりし寝れば明かしかねつも

3885: いとこ汝背の君居り居りて物にい行くとは.......(長歌)

3996: 我が背子が国へましなば霍公鳥鳴かむ五月は寂しけむかも

3997: 我れなしとなわび我が背子霍公鳥鳴かむ五月は玉を貫かさね

4101: 珠洲の海人の沖つ御神にい渡りて.......(長歌)

4111: かけまくもあやに畏し天皇の神の大御代に.......(長歌)

4116: 大君の任きのまにまに取り持ちて仕ふる国の.......(長歌)

4169: 霍公鳥来鳴く五月に咲きにほふ花橘の.......(長歌)

6月(水無月:みなづき) June

0423: 富士の嶺に降り置く雪は六月の十五日に消ぬればその夜降りけり

1995: 六月の地さへ裂けて照る日にも我が袖干めや君に逢はずして

7月(文月:ふみづき) July

七夕を詠んだ歌をご参照ください。

2089: 天地の初めの時ゆ天の川い向ひ居りて.......(長歌)

8月(葉月:はづき) August

※ありません(No poems)

9月(長月:ながつき) September

0423: つのさはふ磐余の道を朝さらず行きけむ人の.......(長歌)

1614: 九月のその初雁の使にも思ふ心は聞こえ来ぬかも

2180: 九月のしぐれの雨に濡れ通り春日の山は色づきにけり

2200: 九月の白露負ひてあしひきの山のもみたむ見まくしもよし

2229: 白露を玉になしたる九月の有明の月夜見れど飽かぬかも

2240: 誰ぞかれと我れをな問ひそ九月の露に濡れつつ君待つ我れを

2263: 九月のしぐれの雨の山霧のいぶせき我が胸誰を見ばやまむ [一云 十月しぐれの雨降り]

2300: 九月の有明の月夜ありつつも君が来まさば我れ恋ひめやも

3223: かむとけの日香空の九月のしぐれの降れば.......(長歌)

3324: かけまくもあやに畏し藤原の都しみみに.......(長歌)

3329: 白雲のたなびく国の青雲の向伏す国の.......(長歌)

3716: 天雲のたゆたひ来れば九月の黄葉の山もうつろひにけり

10月(神無月:かんなづき) October

1590: 十月時雨にあへる黄葉の吹かば散りなむ風のまにまに

2263: 九月のしぐれの雨の山霧のいぶせき我が胸誰を見ばやまむ [一云 十月しぐれの雨降り]

3213: 十月しぐれの雨に濡れつつか君が行くらむ宿か借るらむ

3214: 十月雨間も置かず降りにせばいづれの里の宿か借らまし

4259: 十月時雨の常か我が背子が宿の黄葉散りぬべく見ゆ

11月(霜月:しもつき) November

※ありません(No poems)

12月(師走:しわす) December

1648: 十二月には沫雪降ると知らねかも梅の花咲くふふめらずして

旧暦(きゅうれき)について

太陰太陽暦(たいいんたいようれき)といいます。太陰暦(たいいんれき)を太陽による季節で調整する暦です。
太陰暦(たいいんれき)は、月の満ち欠けを基準にした暦ですが、太陽による一年(365.2425日ですね)に比べておよそ11日少ないのです。つまり、年毎に季節が大きくずれてくるのですね。このため、19年に7回の閏月(うるうづき)を設けて、そのズレを調整するのです。

たのしい万葉集

更新日: 2020年08月09日(日)