冬を詠んだ歌
冬にかかわる歌には、冬、冬こもり、冬風、雪、などの言葉が登場します。ここでは、「冬」のイメージを詠んでいる歌を紹介いたします。これらの歌からも、春の訪れを心待ちにしている様子がうかがえます。
- Poems in Manyoshu related to winter include words such as Fuyu(winter), Fuyu-komori(staying indoors during winter), Fuyu-kaze(winter breeze), and Yuki(snow). Those poems show how Manyo people were looking forward to the coming of spring.
冬の草花や樹木については、万葉集の草花をご覧ください。
1682: とこしへに夏冬行けや裘扇放たぬ山に住む人
1695: 妹が門入り泉川の常滑にみ雪残れりいまだ冬かも
1787: うつせみの世の人なれば大君の命畏み.......(長歌)
1844: 冬過ぎて春来るらし朝日さす春日の山に霞たなびく
1846: 霜枯れの冬の柳は見る人のかづらにすべく萌えにけるかも
1862: 雪見ればいまだ冬なりしかすがに春霞立ち梅は散りつつ
1884: 冬過ぎて春し来れば年月は新たなれども人は古りゆく
1888: 白雪の常敷く冬は過ぎにけらしも春霞たなびく野辺の鴬鳴くも
2776: 道の辺の草を冬野に踏み枯らし我れ立ち待つと妹に告げこそ
3324: かけまくもあやに畏し藤原の都しみみに.......(長歌)
3901: み冬継ぎ春は来たれど梅の花君にしあらねば招く人もなし
4111: かけまくもあやに畏し天皇の神の大御代に.......(長歌)
4488: み雪降る冬は今日のみ鴬の鳴かむ春へは明日にしあるらし
4492: 月数めばいまだ冬なりしかすがに霞たなびく春立ちぬとか