霜雲入 為登尓可将有 久堅之 夜渡月乃 不見念者
不明
霜(しも)曇(ぐも)り、すとにかあるらむ、久方(ひさかた)の、夜(よ)渡る月(つき)の、見えなく思へば
曇って霜(しも)が下りようとしているのでしょう。夜を渡る月(つき)が見えないことを思えば。
「久方(ひさかた)の」は、空や月を導く枕詞(まくらことば)です。
この歌の題詞には「月(つき)を詠む」とあります。