隠口乃 泊瀬之山丹 照月者 盈ち為焉 人之常無
不明
こもりくの、泊瀬(はつせ)の山に、照る月(つき)は、満ち欠けしけり、人の常(つね)なき
泊瀬(はつせ)の山に、照る月(つき)は、満ち欠けします。人の世も同じように、変わっていくものですね。
「こもりくの」は泊瀬(はつせ)を導く枕詞(まくらことば)です。
この歌の題詞には「物に寄せて思ひを發(おこ)す」とあり、左注に「右一首、古歌集に出づ」とあります。