第七巻 : 伊勢の海の海人の島津が鰒玉採りて

2006年11月26日(日)更新


原文: 伊勢海之 白水郎之嶋津我 鰒玉 取而後毛可 戀之将繁

作者: 不明

よみ: 伊勢(いせ)の海の、海人(あま)の島津(しまつ)が、鰒玉(あはびたま)、採(と)りて後(のち)もか、恋の繁(しげ)けむ

意味: 伊勢(いせ)の海の海人(あま)の島津(しまつ)の鰒玉(あはびたま)は、採って手に入れた後もとても恋しく思うものです。

「島津(しまつ)」は、人の名前だという説、志摩(しま)のことだという説があります。

伊勢の海女さん 撮影(2005.09.26) by きょう

「鰒玉(あはびたま)」は、「鰒(あわび)」からとれる真珠です。この真珠を女性に譬(たと)えて、恋が結ばれてからもとても恋しく思う気持ちが変わらないことを詠んだ歌と考えられています。


第七巻