第七巻 : 木綿懸けて斎ふこの社越えぬべく

2006年10月22日(日)更新


原文: 木綿懸而 齋此神社 可超 所念可毛 戀之繁尓

作者: 不明

よみ: 木綿(ゆふ)懸(か)けて、斎(いは)ふこの社(もり)、越(こ)えぬべく、思(おも)ほゆるかも、恋(こい)の繁(しげ)きに

意味: 木綿(ゆふ)を懸(か)けて、祭(まつ)ってむやみに入らない神様の社(やしろ)でさえ、越え入ってしまおうとさえ思うほどです。あなたへの恋が激しくて苦しいから。

「木綿(ゆふ)」は楮(こうぞ)の樹皮からとった繊維ですが、神様を祭るのに使いました。

三輪の神の鳥居 撮影 by きょう

この歌には神様の名前がありませんが、この直前の歌とセットで「神に寄する」と題詞がつけられていて、この直前の歌には「三輪(みわ)の神」とあります。


第七巻