多奈波多之 船乗須良之 麻蘇鏡 吉欲伎月夜尓 雲起和多流
大伴家持(おおとものやかもち)
織女(たなばた)し、舟(ふな)乗りすらし、まそ鏡、清き月夜(つくよ)に、雲立ちわたる
織女(たなばた)が舟で乗りだしたようです。鏡のように清い月夜に、雲が立ち渡っています。
この歌の題詞には「十年(天平十年:西暦738年)七月七日の夜、獨(ひと)り天漢(あまりがわ)を仰いで聊(いささ)かに懐(おもい)を述べる一首」とあります。