原文
振仰而 若月見者 一目見之 人乃眉引 所念可聞
作者
よみ
振(ふ)放(さ)けて 三日月見れば 一目見し 人の眉(まよ)引き 思ほゆるかも
意味
空を仰いで三日月を見ると、一目見たあの女(ひと)の眉を思い出します。
・三日月から女性の眉(まゆ)を思い起こしています。「眉(まよ)引き」は、眉を剃って(もしくは抜いて)眉を細い弓のように描いたことだそうです。
補足
この歌の題詞には、「大伴宿祢家持(おおとものすくねやかもち) 初月(みかづき)の歌一首」とあります。この歌を詠んだ時、大伴家持(おおとものやかもち)は16歳ころだったそうです。