原文

久堅乃 雨者零敷 念子之 屋戸尓今夜者 明而将去

作者

大伴家持(おおとものやかもち)

よみ

ひさかたの、雨(あめ)は降りしけ、思ふ子が、やどに今夜(こよひ)は、明かして行かむ

撮影(2012.06) by きょう

意味

雨(あめ)よ降ればいい、親しく思っている方の家に今夜はすごしていこう。

「ひさかたの」は、天(あめ)、雨(あめ)月(つき)など、空(そら)に関する言葉を導く枕詞(まくらことば)です。

補足

この歌の題詞には、「安積親王(あさかのみこ)が左少辨(さしょうべん)藤原八束朝臣(ふじわらのやつかあそん)の家で宴をひらいた日に、内舎人(うどねり)大伴宿祢家持(おおとものすくねやかもち)が作った歌一首」とあります。

安積親王(あさかのみこ)は、聖武天皇(しょうむてんのう)の皇子(みこ)です。

更新日: 2012年11月18日(日)