一松 幾代可歴流 吹風乃 聲之清者 年深香聞
市原王(いちはらのおほきみ)
一つ松(まつ)、幾代(いくよ)か経(へ)ぬる、吹く風(かぜ)の、音の清きは、年(とし)深(ふか)みかも
松(まつ)よ、きみはいったい何年経っているのですか。吹く風(かぜ)の音が清らかなのは、長い年月を経ているからなのかな。
天平16年(西暦744)1月5日に安倍虫麻呂(あべのむしまろ)の邸宅で行われた宴席での歌です。