第十六巻 : 妹が名に懸けたる桜花咲かば

平成11年2月21日(日)更新


原文: 妹之名尓 繋有櫻 花開者 常哉将戀 弥年之羽尓

作者: 不明

よみ: 妹(いも)が名に、懸けたる桜、花咲かば、常にや恋ひむ、いや年のはに

意味: あの娘の名前、桜児(さくらこ)を思い起こさせるの花が咲いたなら、ずっ~と毎年、桜児(さくらこ)のことを恋慕うことだろう。

結婚を申し込んでいた桜児(さくらこ)が、自殺したのを嘆き悲しんで詠んだ歌です。


「花開者」の読みを「花散らば」としているものが多いようです。また、尼崎本万葉集では、原文そのものが「花散者」となっています。


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