桜(さくら) Sakura(Cherry Blossom)
桜(さくら)はバラ科サクラ属です。3月~5月に日本を北上しながら白・ピンクの花を咲かせる日本の春を代表する花ですね。
ちなみに、桜(さくら)の語源の一つの説として、「さ」が田の神、「くら」は神の座(くら)のことだという説があります。
"Sakura"(Cherry Blossom) is one of the most popular flower in sping of Japan. Sakuras are written in 44 poems in Manyoshu. There are some poems which are sorry for sakura's short life, because it falls in a week or so. In some poems, "sakura bana(桜花)" are used.
桜(さくら)を詠んだ歌 Poems including Sakura
万葉集は梅ばかり詠んでいるのかというと、そうでもなくて桜を詠んだ歌もかなりあるんですね。万葉集の時代にも桜は人々に愛されていたようです。
0257: 天降りつく天の香具山霞立つ春に至れば松風に.......(長歌)
0260: 天降りつく神の香具山うち靡く春さり来れば桜花.......(長歌)
0829: 梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべくなりにてあらずや
0971: 白雲の龍田の山の露霜に色づく時にうち越えて.......(長歌)
1047: やすみしし我が大君の高敷かす大和の国は.......(長歌)
1212: 足代過ぎて糸鹿の山の桜花散らずもあらなむ帰り来るまで
1425: あしひきの山桜花日並べてかく咲きたらばいたく恋ひめやも
1429: 娘子らがかざしのために風流士の蘰のためと.......
1430: 去年の春逢へりし君に恋ひにてし桜の花は迎へけらしも
1440: 春雨のしくしく降るに高円の山の桜はいかにかあるらむ
1456: この花の一節のうちに百種の言ぞ隠れるおほろかにすな
1457: この花の一節のうちは百種の言持ちかねて折らえけらずや
1458: やどにある桜の花は今もかも松風早み地に散るらむ
1459: 世間も常にしあらねばやどにある桜の花の散れるころかも
1747: 白雲の龍田の山の瀧の上の小椋の嶺に咲きををる.......(長歌)
1748: 我が行きは七日は過ぎじ龍田彦ゆめこの花を風にな散らし
1749: 白雲の龍田の山を夕暮れにうち越え行けば瀧の上の.......(長歌)
1750: 暇あらばなづさひ渡り向つ峰の桜の花も折らましものを
1751: 島山をい行き廻れる川沿ひの岡辺の道ゆ昨日こそ.......(長歌)
1752: い行き逢ひの坂のふもとに咲きををる桜の花を見せむ子もがも
1776: 絶等寸の山の峰の上の桜花咲かむ春へは君し偲はむ
1854: 鴬の木伝ふ梅のうつろへば桜の花の時かたまけぬ
1855: 桜花時は過ぎねど見る人の恋ふる盛りと今し散るらむ
1864: あしひきの山の際照らす桜花この春雨に散りゆかむかも
1866: 雉鳴く高円の辺に桜花散りて流らふ見む人もがも
1867: 阿保山の桜の花は今日もかも散り乱ふらむ見る人なしに
1869: 春雨に争ひかねて我が宿の桜の花は咲きそめにけり
1870: 春雨はいたくな降りそ桜花いまだ見なくに散らまく惜しも
1872: 見わたせば春日の野辺に霞立ち咲きにほへるは桜花かも
1887: 春日なる御笠の山に月も出でぬかも佐紀山に咲ける桜の花の見ゆべく
2617: あしひきの山桜戸を開け置きて我が待つ君を誰れか留むる
3129: 桜花咲きかも散ると見るまでに誰れかもここに見えて散り行く
3305: 物思はず道行く行くも青山を振り放け見れば.......(長歌)
3309: 物思はず道行く行くも青山をふりさけ見れば.......(長歌)
3786: 春さらばかざしにせむと我が思ひし桜の花は散りにけるかも
3787: 妹が名に懸けたる桜花咲かば常にや恋ひむいや年のはに
3967: 山峽に咲ける桜をただ一目君に見せてば何をか思はむ
3970: あしひきの山桜花一目だに君とし見てば我れ恋ひめやも
3973: おおきみの命かしこみあしひきの山野さはらず.......(長歌)
4074: 桜花今ぞ盛りと人は言へど我れは寂しも君としあらねば
4077: 我が背子が古き垣内の桜花いまだ含めり一目見に来ね
4151: 今日のためと思ひて標しあしひきの峰の上の桜かく咲きにけり
4361: 桜花今盛りなり難波の海押し照る宮に聞こしめすなへ
4395: 龍田山見つつ越え来し桜花散りか過ぎなむ我が帰るとに