第十三巻 : 物思はず道行く行くも青山を
2000年11月5日(日)更新 |
原文: 物不念 道行去毛 青山乎 振放見者 茵花 香未通女 櫻花 盛未通女 汝乎曽母 吾丹依云 吾■毛曽 汝丹依云 荒山毛 人師依者 余所留跡序云 汝心勤 作者: 不明 よみ: 物思(も)はず、道行く行くも、青山を振り放(さ)け見れば、つつじ花、にほえ娘子(をとめ)、桜花 、栄え娘子、汝(な)れをぞも、我れに寄すといふ、我れをも、汝れに寄すといふ、荒山も、人し寄すれば、寄そるとぞいふ、汝が心ゆめ |
意味: 物思いせずに道を歩いて、草木の繁った山を仰いで見ると、そこに咲いているツツジのようにきれいな君、桜のように美しい盛りの君、君は私が好きだという、私も君が好きだと言う、でもね、荒々しい山でさえ人が心を向けると、人に心を寄せてくると言うよ、だから君も気を付けなさいよね。 |