原文

白雲乃 立田山乎 夕晩尓 打越去者 瀧上之 櫻花者 開有者 落過祁里 含有者 可開継 許知期智乃 花之盛尓 雖不見在 君之三行者 今西應有

作者

高橋虫麻呂歌集より

よみ

白雲の、龍田(たつた)の山を、夕暮れに、うち越え行けば、瀧(たき)の上(うへ)の、桜の花は、咲きたるは、散り過ぎにけり、ふふめるは、咲き継ぎぬべし、こちごちの、花の盛りに、あらずとも、君がみ行きは、今にしあるべし

桜 撮影(2014.04) by きょう

意味

龍田(たつた)の山を夕暮れ時に越えていくと、瀧(たき)の上に咲いていた桜の花がもう散っています。つぼみのものはまだ咲くでしょう。あちこちの花の盛りではありませんが、あなた様がいらっしゃる時は、今でしょう。

補足

白雲の」は、立つなどを導く>枕詞です。

更新日: 2014年04月13日(日)