滝(たき) Taki(Waterfall)
滝は川などの急な高低差によって水が流れ落ちているところをいいます。また、万葉の頃は川の流れの激しい処も指していたと考えられています。
- Taki(Waterfall) is a place where water is flowing down due to a steep height difference of a river. It is also believed that during the Manyo period, it also pointed to places where the river flow was intense.
滝(たき)・垂水(たるみ)を詠んだ歌 Poems
万葉集の歌に詠まれる「滝」は、必ずしも私たちがイメージする滝とばかりは言えないようです。流れの激しい処も「滝」と詠んでいるとの説があります。
「滝」を「垂水(たるみ)」と詠んでいる歌が3首あります。
- Taki mentioned in the poems of Manyoshu are not necessarily the waterfalls that we imagine. There is a theory that the place where the flow is strong is also called "Taki".
垂水(たるみ)を詠んだ3首 Poems on Tarumi
- There are three poems in which Taki is called "Tarumi".
1142: 命をし幸くよけむと石走る垂水の水をむすびて飲みつ
1418: 石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも
3025: 石走る垂水の水のはしきやし君に恋ふらく我が心から
滝(たき)を詠んだ歌 Poems on Taki
0036: やすみしし我が大君のきこしめす天の下に.......(長歌)
0242: 滝の上の三船の山に居る雲の常にあらむと我が思はなくに
0313: み吉野の滝の白波知らねども語りし継げばいにしへ思ほゆ
0388: 海神はくすしきものか淡路島中に立て置きて.......(長歌)
0907: 瀧の上の三船の山に瑞枝さし繁に生ひたる栂の木のいや継ぎ継ぎに.......(長歌)
0909: 山高み白木綿花におちたぎつ瀧の河内は見れど飽かぬかも
0910: 神からか見が欲しからむみ吉野の滝の河内は見れど飽かぬかも
0912: 泊瀬女の造る木綿花み吉野の滝の水沫に咲きにけらずや
0914: 滝の上の三船の山は畏けど思ひ忘るる時も日もなし
0922: 皆人の命も我れもみ吉野の滝の常磐の常ならぬかも
0960: 隼人の瀬戸の巌も鮎走る吉野の瀧になほしかずけり
1034: いにしへゆ人の言ひ来る老人の変若つといふ水ぞ名に負ふ瀧の瀬
1035: 田跡川の瀧を清みかいにしへゆ宮仕へけむ多芸の野の上に
1104: 馬並めてみ吉野川を見まく欲りうち越え来てぞ瀧に遊びつる
1113: この小川霧ぞ結べるたぎちゆく走井の上に言挙げせねども
1713: 滝の上の三船の山ゆ秋津辺に来鳴き渡るは誰れ呼子鳥
1722: 吉野川川波高み滝の浦を見ずかなりなむ恋しけまくに
1737: 大滝を過ぎて夏身に近づきて清き川瀬を見るがさやけさ
1747: 白雲の龍田の山の瀧の上の小椋の嶺に咲きををる......(長歌)
1749: 白雲の龍田の山を夕暮れにうち越え行けば.......(長歌)
1751: 島山をい行き廻れる川沿ひの岡辺の道ゆ昨日こそ我が越え来しか.......(長歌)
1868: かはづ鳴く吉野の川の滝の上の馬酔木の花ぞはしに置くなゆめ
2717: 朝東風にゐで越す波の外目にも逢はぬものゆゑ瀧もとどろに
2840: いくばくも降らぬ雨ゆゑ我が背子が御名のここだく瀧もとどろに
3015: 神のごと聞こゆる瀧の白波の面知る君が見えぬこのころ
3016: 山川の瀧にまされる恋すとぞ人知りにける間なくし思へば
3232: 斧取りて丹生の桧山の木伐り来て筏に作り真楫貫き礒漕ぎ廻つつ島伝ひ見れども飽かずみ吉野の瀧もとどろに落つる白波
3233: み吉野の瀧もとどろに落つる白波留まりにし妹に見せまく欲しき白波
3617: 石走る瀧もとどろに鳴く蝉の声をし聞けば都し思ほゆ